家村ゼミ2025 二回目の実験の記録手帳
- 展覧会設計ゼミ
- 7月31日
- 読了時間: 3分
更新日:7月31日
7月に入ると、いつも時間が加速されたように感じる。今年もやはりそうだった。
4日のゼミでは第二回目の実験が行われ、11日には今年の家村ゼミ展のタイトルが決まった。その次のゼミでは、オープンキャンパスの準備を仕上げなければならなかった。さらに、ポスターとプレスリリースも7月中に公開された。家村ゼミは、まさに怒涛の日々を過ごしていた。
これらの作業をすべて予定通りにやり遂げ、例年よりも暑く感じられるこの7月を乗り越えたゼミ生のみなさんに、まず「お疲れさまでした!」とひとこと伝えたい。
先日公開された家村ゼミ展2025のポスターとプレスリリースをご覧になった方は、すでにご存じかもしれないが、第一回目の実験結果をもとに話し合った結果、コンクリートブロック案とフィルム案の2つの候補のうち、フィルム案が採用されることになった。

撮影/小野涼寧
フィルム案は、「余白」と「自然光」という、アートテークギャラリーの空間における2つの要素を引き出すために、中村竜治さんが考案してくれた展示案だ。自然光のみを用いて、透明フィルムロールを地面に並べ、その周囲を曲線にカットする。単純な手続きによって、アートテークギャラリーの床に、巨大な水たまりが広がったような光景が生まれる。プリズムを媒質にして光の分散を観察するように、この展示案はフィルムの反射を通じて空間と自然光への意識を促し、同時にフィルムの存在感とキュレーションの気配を薄めようとする試みでもある。
フィルムの展示案を実現するためには、細部にまで気を配る必要がある。ハードルの高い企画だ。それにもかかわらず、第一回目の実験でフィルムの水たまりを見て、ゼミ生全員が一致でこの案に挑戦することを決めた。
7月4日、かっこいい五本指シューズを履いた竜治さんとアートテークギャラリーに集合し、フィルム案を全面的に実施する第二回目の実験が始まった。そして、誰にも予想されていなかった事態が起こり、今年の家村ゼミ展が直面しているいくつかの課題が明らかになった。
アートテークギャラリー101は他学科の展示に使われていたため、102~105の空間のみで実験を行った。前回の実験で使ったフィルムを再び敷いてみると、折り目が波のように目立っていた。空調の影響でアートテークギャラリー内の空気が乾燥しているのか、時間が経つと地面とくっつくはずのフィルムが徐々に浮いていくようになった。それだけではなく、開いた非常口から突然風が吹き込み、105側のドアの近くに置いてあったフィルムが半分ほど乱れてしまった。予想外の出来事に、不安の影が私たちの心に残った。
すぐに改善策を検討したが、「湿度」と「風」、この2つの要素は不確定性が高い。アートテークギャラリー内の湿度は調整できないため、天候によってフィルムの状態は変化する。非常口を閉めても、展示室の入り口から風が入り込み、人の動きによって気流が生まれる。アートテークギャラリーという空間では、普段気づかないような小さな変化が常に起きていることを、今回の実験で改めて実感した。そして、その不確定さの中から、何か新たな想像力が生まれるかもしれない、とも思った。
試行錯誤のなかで、多くの気づきが生まれ、家村ゼミ展に関わる人々のつながりも深まったように感じる。7月の実験が終わり、次の現場作業はいよいよ9月の本番のみとなった。2回の実験で鍛えられたフィルムを切るテクニックを維持するため、夏休み中も家で練習を続けよう。これは私の夏休みの宿題だ。

撮影/山本小花
家村ゼミ2025 TA
顧 天淼(多摩美術大学大学院芸術学専攻1年)
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