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階段でゼミ展を想う 〜ゼミアシスタントの夏休み〜

  • 執筆者の写真: 展覧会設計ゼミ
    展覧会設計ゼミ
  • 8月25日
  • 読了時間: 5分

みなさま、こんにちは。家村ゼミのティーチング・アシスタント2号です。

もう8月ですよ、早いものですね。不安と期待と花粉に塗れた新年度から、もう4ヶ月が経ちました。

この4ヶ月でやったことといえば、半年使わなかったサブスクをやっとのことで解約したくらいです。マイナスをゼロにしただけ。信じられないですね。わたくし個人では、まだなに一つ成し遂げられていません。


そういうわけで、時は9月に差し掛かろうとしています。

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「家村ゼミ展 2025 中村竜治 空間に、自然光だけで、フィルムを置く」の開催まで、あともうひと月もありません。夏休み明け(多摩美の夏休みは8月いっぱいです)のゼミの忙しさを想像して戦々恐々としながらも、ゼミの皆々様は、SNSのこと、ハンドアウトのこと、トークのこと、展覧会に関する色々なことを考えながら、それぞれ有意義なお休みを過ごしていることでしょう。

しかしまあ、闇雲に焦っていても仕方がないということで、枯れ木も山の賑いと言いますし、階段の踊り場のような、一息つけるなんでもないわたくしの夏休みをここに添えられたらと思います。


口ざわりのいいことを述べておりますが、ゼミも授業もないのでネタに困っているだけです。

わたくしこの夏、瀬戸内国際芸術祭2025の夏会期に合わせて、人生初の直島に行ってまいりました。


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たった20分そこらのフェリーで激酔いして作品を見るとかそういう次元ではなくなりそうでしたが、なんとか「直島新美術館」と「ベネッセハウス ミュージアム」には到達でき、直島に行ったと発しても周りに石を投げられないくらいにはなったのではないでしょうか。多摩美には殺傷能力の高そうな大きな石がたくさん転がっていますから、発言には気をつけなければなりません。


そんな有意義な直島観光を楽しんだわたくしが、一番みなさまにおすすめしたいスポットをご紹介いたします。


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これが何かお分かりになるでしょうか。


そう、直島新美術館の階段です。


どんな作品があるのかとか、どんな展示だったとか、そういう話はこのブログには一切ありません。すみません。



おすすめポイント① 自然光

今回の家村ゼミ展もその名の通り「自然光だけで、」ですが、ここ数年にわたって自然光と空間の関係を考えている私にとって、この点は絶対見逃せません。

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三角形の天窓から入り込む光が線対称だなとか……


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地面の電灯と自然光では光の色が違うなとか……

ここの手すりめっちゃ熱そうだなとか……


(「家村ゼミ展 2024 空間に、自然光だけで、大竹利絵子の彫刻を置く」12時ごろの様子)
(「家村ゼミ展 2024 空間に、自然光だけで、大竹利絵子の彫刻を置く」12時ごろの様子)

去年の家村ゼミ展を思い起こして黄昏てみたり……。

アートテークは床がコンクリートですが、直島新美術館は壁もコンクリートでした。強い光でセパ穴が飛んでしまい、滑らかなコンクリートに見えるのが全く新しい発見でとても面白かったです。


もちろん、時間帯によって明るさや影の向きが変わるので、こちらが受け取る印象も違ってくるでしょう。

美術館に入館したのは午前中で、出る頃には正午をまわっていたので、帰り際の階段はアチアチで灼熱の砂浜にいるようでした。この夏は絶対海には行かないぞと誓っていましたが、フェリーで見た海とこの錯覚で、ほぼ海に行ったと言っても過言ではないでしょう。

ゼミ展の時期のアートテークギャラリーは、もう少し涼しくあってほしいですね。



おすすめポイント② 上り下りができる

これは階段全般に言える話ですが、上ってもいいし、下りたっていいんですよね。

直島新美術館はフロアが1階から地下2階まであり、あまり混んでいなかったこともあって、フロアを行き来しながら展示を楽しんでいました。


一度進んでしまっても、後ろ髪を引かれたらそのまま回れ右して戻ることができる。同じ場所を通っているのに、隣の人とは向かう先が真反対かもしれない。

エレベーターとかエスカレーターとか勝手に動いてくれる便利な機械に頼りきりでいると、階段のような、止まっているからこそ成り立つ自由をときどきありがたく感じたりします。


著者は高校時代、たまに誰も来ない階段に座って1人でお弁当を食べたりしていました。決して友達がいなかったわけではありませんが、思春期特有の孤独に階段の自由さが寄り添ってくれてたのは確かです。エスカレーターだったらこうはいきませんからね。


そういう通過する人ありきの環境って、簡素だけどどこか安心する不思議な感覚を覚えます。

今年のゼミ展も、ゆっくり歩いたり、大股で進んだり、止まったり、回れ右したり、そういう静まっているけれど自由で、みなさまにとっても面白い空間になったらいいですね。


告知❗️


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「家村ゼミ展 2025 中村竜治 空間に、自然光だけで、フィルムを置く」は2025年9月22日(月)からの開催です。

鑑賞者のみなさまがどんなことを想起するのか、どのような過ごし方をされるのか、期待を胸に日々様々な活動を行っております。


今夏、家村ゼミの公式X(旧Twitter)では「#家村ゼミ生の休日」にてゼミ生の充実した夏休みを、公式Instagramではゼミ生の夏の発見を更新しております。ゼミの皆さんがどのようなことを考え、どう過ごしているのか、よろしければ覗きにいらっしゃってください。

ブログでも、ゼミでの活動内容やゼミ生の思案などを引き続き更新してまいりますので、展覧会と合わせてお楽しみいただけますと幸いです。



それではここまで、枯れ木にお付き合いいただきありがとうございました。またどこかで。

 
 
 

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