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那須佐和子さんのアトリエを訪れて

  • 執筆者の写真: 展覧会設計ゼミ
    展覧会設計ゼミ
  • 7月6日
  • 読了時間: 3分

緑が深まる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?


5月22日、10回目となる「家村ゼミ展 2026」のアーティストである那須佐和子さんのアトリエにゼミ生全員で訪れてきました。多くのゼミ生にとって初めての那須さんとの対面。那須さんの優しい雰囲気にゼミ生達も、沢山のお話を伺うことができました。



雨が降りそうな曇りの日、駅から少し離れた場所にアトリエはありました。自然豊かな環境にポツンと立った倉庫のような建物。無機質な空間を想像し、アトリエの中へ入ると、広くて暖かいとても素敵な空間が広がっていました。


那須さんのアトリエ

3人で使用しているアトリエには、それぞれの時間が流れており、2階が那須さんのスペースになっていました。


2階には、空間を区切る大きな壁が存在しており、丈夫で十分な高さのある壁そのものが、巨大なイーゼルの役割を果たしていました。油絵は乾燥に時間がかかるためいつも同時進行で制作し、層を重ねるために、複数の絵を並べながら描いていらした。壁の片側には描き途中の作品が、もう片側には描き終わった作品が置かれており、壁を隔てて過去と現在が繋がっていました。


このアトリエでは、絵だけでなく、時間そのものが層になって積み重なっていました


那須さんの後ろ姿と作品


また、アトリエには沢山窓が存在し、よく風が通り、日中は自然光だけで制作が行われていることもあり、屋外と屋内の境界線が曖昧に感じました。


自然光の中で、作品に人が近づくと、影が絵に重なり絵に新たな味が加わるのも魅力に感じました。見る距離そのものが作品の一部になっているようで、空間の中に作品があるというより、空間ごと絵画に巻き込まれていく感覚に近いのかなと思いました。絵画の可能性を、四角の外へ少しずつ押し広げているように見えました。



これまで、私はアトリエは絵を描くためだけの場所だと思っていました。那須さんのアトリエは、パソコンなどの作業ができる空間や、ソファーが置いてあったりと過ごしやすく居心地の良い空間になっており、那須さんの作品に感じる居心地の良さはここから来ているのかなと思いました。


那須さんの制作道具


様々なところから那須さんのこだわりを感じましたが、楔型の釘で張ったキャンバスと、メーカー順に並べた絵の具には特に那須さんの制作するうえでの信念を感じました。アトリエ訪問を通して、那須さんの作家としての姿を詳しく知ることができ、アトリエという空間が那須さんについて教えてくれているような不思議な感覚になりました。


アトリエとは作家の思考や価値観が可視化された空間だと思います。作品が生まれるまでの時間と試行錯誤を物語ることができるアトリエに訪れることでより一層、今回の展示を成功させたいという気持ちが強くなりました。



今回のアトリエ訪問を通してゼミ生一同、より明確に展示の姿を思い描くことができました。アトリエ訪問という貴重な機会を作ってくださった那須さんに改めて感謝しています。


芸術学科 3年 K

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